「VPS」と「クラウド」の違い【マンションに例えて解説】

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こんにちは。不可思議絵の具です。

ブログを始めたい人向けに「VPS」と「クラウド」の違いをまとめてみました。

実はワタクシ、昔SEをやってましたので、ITは少し詳しいですよ!
今はそんなの全く関係ない、ブロガーやってますけどね! ガハハ!…カハハ

大まかに、以下のような記事構成になっています。

  • 「VPS」の概要と特徴
  • 「クラウド」の概要と特徴
  • まとめとして、両者の比較表(向く分野/向かない分野)

では、始めます。

VPSとは

Virtualバーチャル Privateプライベート Serverサーバー(仮想的な専用サーバー)」の略です。

※「ハイパーバイザー」のことは本記事では無視して下さい

VPS以前は敷居が高かった

本来「サーバーを設置する」となると、サーバーマシンの現物を買うか・借りるかして、ホスティング業者(さくら・NTT・IDCフロンティアなど)のデータセンターに設置する必要があります。

これを【物理専用サーバー】サービスと呼びます。
(「コロケーション」「ハウジング」サービスとも呼ばれます)

サーバーマシンの性能を100%、自分のサイトのためだけ・・に活かすことができます。
お金さえあればこれが文句なしに一番良いのですが、サーバーマシンを仕入れるところから始まるので費用が高価で、準備が大変です。

設置場所の取り決め・運用手順の取り決め・電源工事・回線工事など考えることも多いです。

設置の相場は数十万、月の費用は数万円が当たり前なので、それ相応の収益が見込めないと気軽に使えるサービスではありません。

「物理専用サーバー」サービスより敷居が低い

そこで、ホスティング業者があらかじめ「物理サーバー」を設置したのち、物理サーバーを「仮想的に分割」して貸し出す【VPS】というサービスが生まれました。

一つのリソースを複数人で分け合って使いますから、どうしても性能の限界はあります。

例えば5人が使っていたとして一斉にアクセスのピークを迎えたとすると、単純に物理専用サーバーに比べて1/5の量しか捌けないということになります。
(実際には、もっと賢くリソース配分します)

また、迷惑な隣人(回線負荷が高いエロサイト・高負荷なゲームサーバーなど)がいると回線やCPUが消費され、自分のサイトのスピードに悪影響を与えるかもしれません。

こういう弱点はありますが、分割することにより高価な物理サーバーを使い勝手はそのままに安価に利用できるようになりました。

相場は月の費用が数千円レベルとなり、敷居がかなり低くなります。

分譲マンションのビルに例えると、こんな感じでしょうか?

項目物理的な専用サーバーVPS
(仮想的な専用サーバー)
住み方マンションビルに
一人で住む
マンションビルの
区分を買う
自由度ビルを自分で選ぶ
(サーバースペックの選定から始まる)
区分内は好きな間取りにできる
(OS以下好きに選べる)
広さ
(能力)
広い
(サーバーの全性能を使える)
狭い
(サーバーの全性能は使えない)
快適さ
(専有度)
隣人の迷惑を
受けない
隣人の迷惑を
受ける
値段高い安い

VPSの契約の考え方

サーバーのスペック(CPU能力やディスク容量)は契約時に決定したら、その後は変更できないのが一般的です。

マンションの区画の広さが販売時に決まっていて変更できないのと一緒で、VPSはスペックを柔軟に変更する作りになっていないからです。

スペックを変更する場合は別契約とサイトの移転が必要になります。

要するに1契約=1サーバーの、サーバー単位の売り方です。

一部、「クラウドVPS」という触れ込みで、スペックの変更タイミングは固定的だけれど、サイト移転不要でスペックを変更できるVPSサービスもあります

向いている用途は

  • サイトの成長度が一定
  • アクセス需要が安定
  • 長期的な契約が前提

で、具体的には

  • 小規模なブログ
  • 企業情報のWebサーバー

といったサイトに向いています。

クラウドとは

※「ハイパーバイザー」のことは本記事では無視して下さい

「仮想的な分割」は共通だが、より柔軟な構成が可能

【クラウド】は物理サーバーを分割して借りる点では【VPS】と一緒ですが、1契約内でサーバーを複数台持てますし、スペックもリアルタイムで変更できます

つまり、VPSより柔軟に構成できます。

先ほどの分譲マンションの例に当てはめると、こんな感じでしょうか?

項目クラウドVPS
住み方マンションビルの
フロアーを貸し切る
マンションの
区分を買う
自由度フロアー内は好きに区分を作って良い
(VPSを何個も作れる)
区分内は好きな間取りにできる
(OS以下、好きに選べる)
広さ
(能力)
フロアの広さを
変更できる
(物理マシンほどの性能は出せないが、動的に変更できる)
狭い
(マシンの全性能は使えない)
快適さ
(専有度)
隣人の迷惑を
受ける
値段結構高いし、青天井安い

物理的な枠を超えてサーバー群を構成できる

クラウドの面白くもあり理解が難しいところは、上の表で言う「広さ」が拡大できるという点です。

変な話ですが、広さが無限に伸び縮みするフロアーがあると思って下さい。

このフロアーは極端な話、世界中の広さまで拡大できます。

物理サーバーだと、仮想化のための仕組みを介さず直接インターネットとやり取りするので、無駄がなく高速ですが、マシンの持つ性能以上を持つことはできません。

例えばディスク容量が不足したら、ディスクを買い足して差し込むしかありませんし、差込口の数に限りがありますので、いつか増設にも限界が来ます。

処理能力も同様で、不足したらCPUを増設しますが、やはり差込口の数に限りがありますので、限界が来ます(そもそも、安価なサーバーでは増設できないことがほとんどです)。

つまり、サーバーマシンの物理的な限界を超えることができません。

限界を超えるにはサーバーマシンそのものを新しく買い足す必要があります。

この制約はVPSでも同じです。

話をクラウドに戻します。

クラウドは、現実世界ではデータセンターの物理サーバー内に構築されていますが、仮想的に「物理サーバーをまたがった作り」になっているので、物理的な限界を超えてディスク容量や処理能力を買い足せるようになっています。

これが先程書いた「クラウドはフロアーの広さを無限に拡大できる」の意味です。

繁忙期には拡大、閑散期には縮小、という対応を柔軟にできます。

自由に規模を拡大縮小できるのがクラウドの真骨頂です。

単純化するための「例え話」が無駄になるので軽く触れるだけにしますが、もう少し言うと、クラウドではルーター・スイッチングハブ・DISK装置といった物さえ仮想化されており、自由に組み合わせられます。
つまり、サーバーの枠を超え、ネットワーク構成も(仮想的に)構築できます。

クラウドの契約の考え方

VPSのように「1台いくら」ではなく、利用したサービス量に応じて課金されます。

VPSが「ハンバーガーセット」だとすると、
クラウドは「ハンバーガー」「ジュース」「ポテト」の種類それぞれ選んで組み合わせるイメージです。

単価も高めで、仮にVPSと同期間・同程度のサーバーを借りたとしても、VPSよりも値段が高くなる傾向があります。

また、VPSの大半は月額料金固定制を取りますが、クラウドの場合は大半が時間単位などの従量課金制です(自由なタイミングで規模を拡大縮小できるため)。

ですから、料金計算が難しいデメリットがあります。

また、セキュリティが甘いサーバーを他人に乗っ取られ、勝手に使いまくられて数億円請求された……といった恐ろしい事件も起きています。

ハッキリ言って、VPSよりも管理が更に難しく玄人向けであることは間違いありません。

向いている用途は

  • 繁忙と閑散の差がとても大きい
  • 需要予測が付きにくい
  • どこまで大きくなるかわからない
  • 分散処理が前提のシステムが動く

で、具体的には

  • 超大規模Webサーバー
  • 社内システムのアウトソーシング
    (オンプレミスからの移行)

といったものになります。

まとめ

VPSとクラウドの比較表

最後に、VPSとクラウドの違いをまとめます。

ここまで長くなってしまいましたが、月間500万PV以下の規模のブログであれば、「VPS」で十分ですよ。

これ以上の規模が見えた時に「クラウド」を検討する程度で十分です。

項目VPSクラウド
月額固定従量
単価安い高い
契約単位1台制限なし
柔軟性
おすすめ
  • 成長度が一定(予測し易い)
  • 需要が安定
  • 長期的に契約

  • サーバー1台あれば良い案件
  • アクセスが安定したWebサイトを長期的に借りたい
  • 成長度が予測できない
  • 需要が安定しない
  • 状況に併せて柔軟に対応したい

  • スモールスタートで始め、将来的に拡張したい
  • 用途の異なる複数台のサーバーが必要
  • 急なアクセスのあるWebサイト
  • テスト・検証環境として短期間借りたい
具体例
(企業・
商品名)
さくらインターネット

GMO

アシストアップ

カゴヤ・ジャパン

NTTコミュニケーションズ

さくらインターネット

GMO

カゴヤ・ジャパン

Amazon

Microsoft

IBM

IDCフロンティア

鈴与シンワート

参考:物理専用サーバーサービス

さくらインターネット

GMO

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